【カップエース】正位置/逆位置の意味と解釈-象徴や人物像を徹底解説

カップエースの「愛」とは？

カップエースの読み方として
「一目惚れ、恋の始まり」など、

『恋愛的な要素』が
強く打ち出されていますが…

実は恋愛要素よりも、
『無条件の愛、無償の愛』というのが
カップエースの本質には合っています。

そこで
カップエースの本質を深く知るため、
『最後の晩餐』というお話を
簡単に取り上げてみたいと思います。

〜最後の晩餐〜

イエスが十字架刑に処される前夜、
十二使徒を集め、
最後の食卓を囲んだというお話です。

そのメインになるのが、
『葡萄酒とパンを分けるシーン』です。

その食卓で
イエスは十二使徒を祝福し、
葡萄酒とパンに祈りを捧げました。

そして一枚のパンをちぎり
「これは私のからだです」
と言って弟子たちで分けるよう命じ、
そのパンを皆で割って食べました。
※これが鳩が持つ『聖体』になります。

次にイエスは、
「この杯は多くの人のために
　贖罪として流すわたしの契約の血です」
と言ってブドウ酒を弟子たちへ。
その一杯のブドウ酒を皆で飲みました。
※これがメインの『聖杯』になります。

イエスはこの時点で既に…

弟子たちの中に
自分を裏切る者がいること。
そのため自分が明日
十字架に架けられること。
そして朝までに
弟子が自分との繋がりを否定すること。

そういったことを
全て知っていました。

全て知った上で弟子たちを愛し、
最後の教えを説き、
そして人類の罪を贖うため、
自分の運命を受け入れ
十字架へと向かったのです。

これが
「最後の晩餐」メインストーリーです。

筆者が考える
このお話のポイントは３つです。

○人類の罪を贖うため十字架に架かる。
○自分の運命を受け入れている。
○弟子たちの裏切りも赦し愛した。

即ち『無条件の愛、無償の愛』なのです。

カップエースの愛とは…
恋愛というよりも
『神の愛＝アガペー』なのですね。

それでは、
このお話を踏まえて
カップエースに描かれている
各象徴の解説を詳しくしていきます。

カップエース『象徴の解説』

カップエースは
人物が描かれていない抽象的な絵柄です。

それ故イメージがしづらく、
『意味を覚えて読むことがメイン』
…になってしまいがちなカードです。

そこで本項目では、
カップエースの各象徴

○カップを差し出す手
○白い鳩
○鳩が咥えてるもの
○水滴のようなもの
○池に咲く睡蓮
○聖杯に描かれる文字

各象徴を詳しく解説しながら、
それぞれキーワードも取っていきます。

是非、
参考にして戴ければ嬉しいです。

カップを差し出す『神の手』

雲から出た光る右手が
カップ（感情、愛情を表すスート）
を差し出しています。

ちなみにこの雲は、
「シャカイナグローリー」と呼ばれ、
神の臨在（その場におられること）が、
目で見える形になって起きる現象です。

ですが難しく考えず、
３パターンの視点で考えていきましょう。

①相手からカップを渡される。
②相談者がカップを与える。
②神の手がカップを差し出す。
（＝巡り合わせ、出来事など）

ここから以下のように
リーディングに繋げることが出来ます。

①相手からカップを渡される
愛情、思いやり、
気持ち、優しさ、労り…etc.
それらを相談者が受け取ると読む。

②相談者がカップを与える
愛情、思いやり、
気持ち、優しさ、労り…etc.
相談者が相手に与えると読む。

③神の手がカップを差し出す
（＝出来事、巡り合わせの示唆）
喜び、幸福感、赦し、
心の安寧、心の癒し…etc.
それらの出来事が起こる、
その巡り合わせを受けると読む。

エースカードは
「神の手」と云われていますが、
そこに拘ると読めなくなります。
ですのでシンプルに、
○感情や愛情を差し出す。
○差し出されたものを受け取る。
というように読んでみてください。

聖杯に舞い降りる『白い鳩』

鳩は「平和の象徴」であり、
以下のようなアトリビュートがあります。

平和、自由、安定、安全、
希望、柔和さ、素直さ、純粋さ…etc.

カップのエースは
キリスト教の影響を色濃く表していて、
「鳩」も聖書のあらゆる箇所で出てきます。

マタイによる福音書には、
『蛇のように聡く、鳩のように素直に』
とも記されています。

鳩のように素直に：
悪に染まらず純真であること。

蛇のように聡く：
理解が早く的確であること、
物事の道理を理解できる
聡明さを持つこと。

このお話から
カップエースの『鳩』の部分を
以下のように読むことが出来ます。

【白い鳩：キーワード】
○平和な状態
○自由を手に入れる
○安定や安全な状態
○希望が見えてくる
○優しく穏やかである
○優しさ、穏やかさを持つ
○考えや態度を真っ直ぐ持つ
○下心や邪念を持たない
○下心や邪念を持っていない

鳩が咥えるパンは『聖体』

カップエースの絵柄では、
鳩が十字の刻印された聖体…
（※聖別されたパン）
それを咥えて聖杯に降りてきています。

この聖体（聖別されたパン）は、
『イエスキリストの体の実体』
として信じられているものだそうです。
※本ページ冒頭 〜最後の晩餐より〜

結論からお伝えすると、
『利他主義、受容、赦し』
といったキーワードが取れます。

最後の晩餐のお話で
筆者が取り上げた
３つのポイントを振り返り、
「聖体」のリーディングに用いましょう。

①人類の罪を贖うため十字架に架かる。
②自分の運命を受け入れている。
③弟子たちの裏切りも赦し愛した。

①人類の罪を贖うため十字架に架かる

ポジティブ視点＝『利他主義』
ネガティブ視点＝『自己犠牲』

②自分の運命を受け入れている

○天の采配に委ねる
○ジタバタしない
○流れに任せる
○受け入れる

③弟子たちの裏切りも赦し愛した

○相手を赦す
○自分を赦す
○赦すことが愛だと知る

上記のように
リーディングキーワードが取れました。

一般的には
「聖体＝純粋無垢」
というように紹介されていますが…

最後の晩餐と掛け合わせると、
一味違った読み方が出来ますよね。

水滴は神の恩寵『ヨッド』

カップエースの絵柄には、

水柱とは別に、
「水しぶきのようなもの」
も描かれています。

これは
ヨッドというヘブライ語の文字で…

ヘブライ文字：ヨッド（yod)

『神の恩寵＝神の恵み、神の慈しみ』
という意味を持ちます。

これを
カップエースのリーディングに用いるなら…

『神の恵み』ですので、
お相手に赦されるとか、
愛されるとか、受け入れられるなどの…
人からのアクションではありません。

その問題を通して
相談者が得られるポジティブな側面。

として考え、読んでいきます。

例えば
カップエースには
『受容、赦し、心が満たされる』
というテーマがありましたね。

このキーワードを使うなら…

（受容できるようになる）
相談者はこの問題を通して、
自分の身に起こる物事を受け入れる器を得られる。

（赦せるようになる）
相談者はこの問題を通して、
相手の失敗を咎めない心の器を得ることができる。

（心を満たせるようになる）
相談者はこの問題を通して、
自分を愛して心を満たす術を得られるようになる。

と言ったように…

この問題に真摯に向き合った暁には、
神からのギフトとして〇〇が贈られる。

というような
考え方、読み方になります。

聖杯に描かれる文字は『メム』

聖杯の部分に「M」を
逆さにしたような文字が書かれています。

これは
ヘブライ語で「メム」と云い、
『水』を表しております。

フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』より引用

実際の文字と、
カップエースに書かれているものと
全然違うように見えますが…

「メム」は
ギリシャ文字、キリル文字、ラテン文字
これらの「M」に対応するらしく…

だからそれを逆さにして
カップエースに描かれているのでしょうか？

それはさておき、
『メムをどのように使えば良いのか？』
というのが一番重要ですよね。

これは
生き方、考え方、姿勢に対して、
『水の性質を兼ねることが大切である』
というメッセージになります。

前のページで「水」というのは…

○感情、愛情を司る属性、
○入れ物によって形が変わり、
○温度によって状態が変わり、
○インクによって色彩が変わり、
○重力に逆らわずに進んでいく、

という性質があるとお伝えしました。

一見、自己主張が少なく
弱いもののように思えますが…

『上善は水の如し』という教えがあります。

〜上善は水の如し〜

水は自分を主張しすぎることなく
万物に利益を与えながら
周囲に合わせて形を変え争わない。

低いところに留まる生き方こそ
硬く強いものに打ち勝つ秘訣であり、
弱さに徹した水の性質は
何人たりとも変えることは出来ない。

だからこそ水に勝るものはなく、
水のように生きるのが最善なのである。

このような教えがあるのですね。

争いは争いしか生みません。

川の流れはその途中に
障害物があったとしても、
それを壊して進もうとはしません。

目の前の障害物は、
受け流して前へと進みます。

柔らかいということは、
『どんな硬い鉱物よりも砕けない』
ということなのですね。

カップエースは
非常に水の要素が強いカードですが…

それを強く打ち出すかのように、
『メム＝水』の文字が書かれています。

ここからカップエースは、
『水のように生きることの大切さ』
というのをメッセージしているのですね。

池に咲いてる花は『睡蓮』

カップエースの絵柄には、
『睡蓮』が描かれています。

睡蓮は
清らかさ、再生を意味する神聖な花です。

睡蓮全体の花言葉にも
『信仰、清純な心、信頼、優しさ』と、
カップエースに通じるものがあります。

そして
カップエースに描かれる睡蓮は
「ピンク色」ですね。

ですのでここでは、
ピンクの睡蓮の花言葉
『信頼』を使って
キーワードを広げてみましょう。

【睡蓮から読めるキーワード】
○相手のことを信じる、
○自分のことを信じる、
○相手との絆が深まる、
○深い信頼関係が築ける、
○お互いを頼りにし合える、
○自分の直感を信じて進む、
○自分を全面的に肯定する、
○ありのままの自分を受容する、

というような読み方ができます。

次のページでは
○イエスノーでの読み方
○数秘術「1」での読み方
○人物像を作っての読み方
○カップエースのメッセージ
こちらをお送り致します。