皆様こんにちは、
『本気のタロット講座』へようこそ。
今回の記事は、
『死神』と『塔』
この2枚の違いについてご質問を頂き、
その方へお送りしました回答を
ブログ版に直して
シェアさせて戴きたいと思います。
「死神」「塔」
この2枚のカードには共に
『終了、破壊』というような
ニュアンスを含む意味ありますが…
言われてみれば
両者の違いって疑問ですよね。
実はタロットには
同じようなニュアンスを持つカードが
複数存在します。
それらのカードの、
「意味(単語)」で読もうとすると
重複した読み方になってしまいますが…
タロットの絵柄、シーンを加味すれば、
そのカード特有の読み方が出来るのです。
今回はタロットカード
「死神」と「塔」の比較解説を
読みもの形式でお届け致します。
本記事を読むことで
死神と塔のカードの
理解と読み方を深めていけますよ。
是非、
最後まで楽しんで戴ければ嬉しいです。
タロット「死神」ってどんなカード?
![タロットカード『死神』](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2021/03/13.死神.jpg)
死神のカードです、
絵柄を見てみましょう。
瞳の赤い白馬にまたがり、
甲冑を着た死神が歩み寄ってきます。
歩みの先には法王…
そして周囲には
既に倒れている者もいますし、
うな垂れて命を諦めた者、
怖がる子供も描かれています。
法王は
眼前に立つ死神に対して
手を合わせていますが…
周囲の者の命を乞うているのでしょうか?
![タロットカード『死神』](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2021/03/13.死神.jpg)
ところで死神には、
「強制終了」という意味がありますが…
死神とは文字通り「死の神」です。
命を終わらせに来た神であり、
『一方的な容赦の無い力』を振います。
それを以て強制終了させるのですね。
ここからも、
死神のカードの絵柄では
法王がいくら他者の命を祈っても、
死神には聞き入れて貰えないでしょう。
命の終わりを受け入れよ…と、
『一方的な容赦の無い力での終了』
それをもたらされます。
しかし
死神のもたらす終了とは、
終わって無に帰すものでは無く…
『始まりの為の終わり』
というメッセージが込められています。
以下で
メッセージを追ってみましょう。
死神が表すメッセージとは?
![](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2021/02/新芽.jpg)
死神のカードには
「強制終了」という意味があり…
しかしそれは、
終わって無に帰すのでは無く、
『始まりの為の終わり』です。
以下の話は
真偽の証明は不可能ですし、
突き詰めたらキリがありませんが、
死神のカードを解釈する上で
大切な概念だと感じるのでお伝えします。
![](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2024/04/spirit.jpeg)
この世では、
「地上に在る魂の数は常に一定」
という説があります。
それ故に
命の終わりが無ければ
新しい命は始まらないという話です。
もしかしたら、
地上に降り立つ魂が
天上でその時を待っていて…
だからこそ死神は、
新しい命を芽生えさせる為に
やってきているのかも知れません。
故に死神のカードは、
終了という目の前の事象ではなく、
『その更に先を示唆している』のですね。
タロット「塔」ってどんなカード?
![タロット『XⅥ. 塔』](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2021/09/16.塔.jpg)
塔のカードです、
絵柄を見てみましょう。
切り立った断崖にそびえる一本の塔。
そのてっぺんに雷が落ち、
塔からは火が出ています。
塔の外に投げ出された二人は、
「王と王妃」でしょうか?
王妃の方は
冠をかぶっていますが、
王は冠をしていませんね。
塔の絵柄の上部には、
雷が権威を失墜させるが如く、
王冠を吹き飛ばしている様を描いています。
「塔」のカード上部に描かれた王冠は、
『権威の象徴=傲慢さ』を表しています。
![タロット『XⅥ. 塔』](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2021/09/16.塔.jpg)
権威は雷によって破壊…
『強制終了』させられたのです。
一見ショッキングな
「塔」のカードですが…
よく観てみると塔の周囲に
黄色いぴらぴらしたものが描かれています。
塔に落ちた雷の残骸でしょうか?
火の粉が舞っているのでしょうか?
実はこれは
『神の恩寵(おんちょう)』
それを表しています。
塔のシーンでは、
一見、最悪な状況に対しても
「神の慈しみ」が描かれているのです。
塔に描かれた
「神の恩寵とは?」
それを以下で追ってみましょう。
「塔」が表すメッセージとは
![](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2024/04/kuiaratame.jpeg)
塔に落ちているのは、
『神の怒りの雷』です。
旧約聖書
「バベルの塔」
というお話がモチーフになっています。
天にも届く高い塔を建て、
神に近づこうとする人間。
その傲慢の罪に対して
神が怒りの鉄槌を下しました。
塔の建設を『強制終了』させたのですね。
![タロット「塔」イメージ2](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2021/09/バベルの塔イメージ2.png)
しかし
塔の「強制終了」は、
死神と少し違ったニュアンスを持っています。
それは
『神の怒りは人々を試している』
というところです。
この雷が
人々に強制終了をもたらす裁きであっても、
絶対に命を落としたかと言われれば
そうではなかったのです。
人々は落雷や瓦礫で命を落としてはおらず、
塔が破壊された衝撃で
東西南北に散らされましたが生きてました。
ここに「塔」のメッセージがあります。
『神の怒りを受け、その後どうするのか?』
神は人々にチャンスを与えたのです。
それこそが
「塔」の絵に描かれた
色い光『神の恩寵』なのです。
それは即ち
○悔い改めのチャンス
○気付きを得るチャンス
○物事の良い側面を見るチャンス
○最悪の事態でも救いはある
というメッセージでもあるわけですね。
以下の記事で
「バベルの塔」のお話を基に
『塔』の読み方を解説しております。
併せて読んで戴ければ嬉しいです。
![](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2021/09/⑯塔「第一部」アイキャッチ-300x159.jpg)
死神と塔『メッセージの共通点』
![](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2024/04/2oracle-death-tower.png)
この2枚の共通点としては…
「神の業を以ての終了」
『死神=死の神の所業を以ての終了』
『塔=神の怒りの雷を受けての終了』です。
このメッセージで
「示唆、暗示、可能性」を読むなら…
○外的な要因による終了
○意に反して強制的に終了される
○自分にはどうにもならない力での終了
○天の采配による終了
という読み方になります。
しかし
「死神、塔が表すメッセージ」
でお伝えしたように…
終了するからこそ得られるもの
破壊されるからこそ気付ける事
というものがあるのです。
「死神」や「塔」
両者のメッセージはどちらも
今この瞬間への示唆ではなく、
『その先を示唆するもの』で…
それは
成⻑の為に課せられる試練であり、
次へ行くために必要なステップなのです。
その終了や破壊から、
「どのように意味を見出し」
「どのように乗り越えるか」
その先の未来で
成長した自分に出会える…
それが
死神と塔の『共通メッセージ』です。
死神と塔『メッセージの相違点』
![](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2024/04/2oracle-death-tower.png)
ここまで
死神と塔には『終了』という
意味があるとお伝えしてきましたが…
実は同じ終了でも、
両者には決定的な違いがあります。
ここでは
『死神と塔の終了についての相違点』
について解説致します。
死神の終了は『必ず来るもの』
![タロットカード『死神』](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2021/03/13.死神.jpg)
死神と塔の「終了」の相違点。
死神の終了は『必ず来るもの』です。
例えば「死」というのは、
誰も避けては通れませんよね。
どんなにお金を持っていようと、
どんなに権力を駆使しようと、
どんな聖人だろうと平等にやってきます。
死神のカードで
「終了の暗示」として読む場合、
読み方の公式としては…
○相談者さんが行動すれば終了する
○相談者さんが行動しなければ終了する
=『必ず来る終了』となります。
『どちらにしても終了する』
という読み方になるのですが…
以下のように
読み分けることが出来ます。
スプレッド全体の印象が
『暗かった場合』
![](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2021/07/★3枚引き⑫.jpg)
『死神=沈む太陽』として…
○外的な要因による終了
○意に反して強制的に終了される
○自分にはどうにもならない力での終了
○天の采配による終了
スプレッド全体の印象が
『明るかった場合』
![](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2024/04/draw-card-light.png)
『死神=登る太陽』として…
○新しい道が拓く
○現状に夜明けが来る
○何かを得る為の手放し
○新しく始める為の終了
というように読み分ける事が出来ますよ。
塔の終了は『自分次第で回避できる』
![タロット『XⅥ. 塔』](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2021/09/16.塔.jpg)
死神と塔の「終了」の相違点。
塔の終了は
『自分次第で回避できるもの』でもあります。
バベルの塔のストーリーを
思い出してみてください。
![タロット「塔」イメージ2](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2021/09/バベルの塔イメージ2.png)
人々が裁きを受けたのは、
『神に近づこうとした傲慢の罪』からです。
彼らがそれを思い立たなければ…
あるいはあの裁きは無かったでしょう。
即ち塔の強制終了は、
○道を正す為のもの
○気づきを促す為のもの
○自らを顧みる為のもの
○目を覚まさせる為のもの
とも言い換えられるような
『心根、生き方で回避できる終了』です。
ただやはり
本人的には真っ当だとしても…
神の目、宇宙の視点から見て
『そこに気付いてほしい』
といったモノはあります。
その場合、
「現状の破壊」がもたらされます。
ただそれは
バベルの塔の崩壊のような
「大惨事、大破壊」レベルではなく、
『お試し、変化』というレベルでしょう。
例えばその変化は
本人に大切な気付きを与えてくれて
今後に活かせる程度のものであり、
決して最悪な破壊劇ではなく
本人の成長を助ける変化になりましょう。
ですので、
塔のカードも決して怖くはないのですね。
まとめ:タロットカード「死神」と「塔」の意味の違いを比較解説します
![](https://tarot-study.com/wp-content/uploads/2024/04/tarot-death-and-tower-difference-matome.png)
今回の記事は、
「死神」と「塔」について
微妙なニュアンスの違いを解説しました。
ドローされた瞬間、
ショックを受けるようなカードですが…
「死神」も「塔」も
『神の業を以ての終了』ですので…
それ故に
「終わる、壊れる」という
その瞬間への絶望的な示唆ではなく、
その先の素敵な未来を示唆しているのです。
そしてタロットというのは、
○何を読むか(タロットへの質問)
○カードのどこを観るか?
○周囲のドローカードとの兼ね合い。
これでいくらでも
読み方を変えることが出来ます。
ですので「死神」がドローされても
新しい道が拓いたり、
夜明けが来たりしますし…
「塔」がドローされても
新たな気付きを得たり、
新しい自分の再建にもなります。
「死神」「塔」のカードは
怖いものとして扱われていますが…
決して怖いカードではないのですね。
本記事が
皆様のご参考になれば幸いです。
それでは、
本日も
最後までお読み戴き、
誠に有り難う御座いました。
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