【解説】タロット運命の輪は「運命」という意味にこだわると読みづらくなります

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皆様こんにちは、
『本気のタロット講座』へようこそ。

今回の記事は「運命の輪」の解説です。

愚者から隠者までのカードと違い、
運命の輪には人物が出て来ません。
非常に抽象的なカードですね。

そのため、
読みづらいと思う方も多いのではないでしょうか?

そのような時は…
ひとつのキーワードを多角的に捉えていく。
絵の部分の詳細を知りイメージを膨らませていく。

という方法を取ることで、
臨機応変なリーディングをしていくことが出来ます。

難しい解説かもしれませんが、
何度も読み込むことで、必ず感覚がつかめてきます。

本記事が
「運命の輪」のリーディングのお役に立てれば嬉しいです。

目次

Ⅹ, 運命の輪のモチーフ

このカードは、
「運命の出会い」「好転していく」
というイメージが強いカードですよね。

運命の輪というネーミングや、
抽象的な絵の構図がそういったイメージを掻き立てます。

マルセイユ版タロットの運命の輪では、
グルグルと回転させられるようなレバーがついていますね。

このモチーフは、
13世紀のペルシャで発明された「糸車(いとぐるま)」だそうです。
その道具で綿をより頑丈な一本の糸に撚り合わせ(よりあわせ)ていました。

そして糸車というのは、
図像学で「運命を紡ぐ(つむぐ)」という表現があるそうです。

どういう部分が「運命を紡ぐ」なのか…?
こんなお話を見つけました。

モイラは、ギリシア神話における「運命の三女神」のことである。幾つかの伝承があるが、クロートー、ラケシス、アトロポスの3柱で、姉妹とされる。モイラは元々ギリシア語で「割り当て」という意味であった。人間にとっては神から割り当てられたものとして、「寿命」がもっとも大きな関心であった為、寿命、死、そして生命などとも関連付けられた。また出産の女神であるエイレイテュイアとも関連付けられ、やがて運命の女神とされた。人間個々人の運命は、モイラたちが割り当て、紡ぎ、断ち切る「糸の長さ」やその変容で考えられた。まず「運命の糸」をみずからの糸巻き棒から紡ぐのがクロートー(Klotho,「紡ぐ者」の意)で、その長さを計るのがラケシス(Lakhesis,「長さを計る者」の意)こうして最後にこの割り当てられた糸を、三番目のアトロポス(Atropos、「不可避のもの」の意)が切った。このようにして人間の寿命は決まるのである。

フリー百科事典『ウィキペディア(モイラ ギリシア神話)』より引用

糸車に運命を紡ぐという図像学があるのは…
運命の三女神が「生命の寿命を司る⇒運命を紡ぐ」
というギリシア神話の「運命の三女神」のお話から来ていると、筆者は睨んでいます。

ウェイトスミス版の運命の輪では、
糸車的な要素はほとんど無く、
新しいデザインで描かれていますね。

ですが、
輪の上を
「何者かが上に行ったり下に行ったり…」
というのは描かれています。

このようなお話も加えながら、
運命の輪を解説していきたいと思います。

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運命と運勢の違いを考える

このカードは
「運命の輪」という名前で呼ばれています。

ですので、
そのまま「運命」とキーワードを持ってくることが出来ます。
その他にも「運勢」といった意味もあるそうです。

では下記で「運命」「運勢」の定義を調べてみます。

「運命」とは…。

人間の意志を超越して人に幸、不幸を与える力。また、その力によってめぐってくる幸、不幸のめぐりあわせ。運。「運命のなせる業」「運命をたどる」

「コトバンク(運命とは)」より引用

運命を一言で表すなら…
「人間の力ではどうにもならない力」
「神が定めた、その人の一生の出来事」
「どう足掻こうとも覆せない未来」

のことです。

では次に「運勢」を調べてみます。

各個人の命運の勢いのこと。運勢は常に一定ではなく、各個人・時期・周囲の状況によって変わるものとされる。また、本人の心の成長によっても変化が可能であるとされている。

「コトバンク(運勢とは)」より引用

運勢はなかなか難しい定義なのですが、
筆者が注目したいのはマーカー部分です。
「本人の心の成長によって変化が可能である」
すなわち、
本人の行動や心持ち次第で、未来はどのようにでも変えられる!!
そう筆者は運勢というものを捉えます。

運命の輪のカードを読む際、
「それがあなたの運命なのです」と読んでしまうと…
ポジティブな運命なら良いですが
ネガティブなものなら相談者さんもどうにもできなくなってしまいます。
何故なら『どう足掻こうとも覆せない未来』それが運命なのですから…。

ですので、
相談内容に対してカードをドローし、
ネガティブっぽい出目でカードが出された時は、
運勢という観点で
「行動や心持ち次第でいくらでも未来を切り拓いて行ける」
と伝える方がポジティブな気持ちになってもらえます。

決まり切った未来よりも、
切り拓ける未来の方がワクワクしますよね。
「運命の輪」という名前でリーディングする際は、
「運命」と「運勢」を良い感じで使い分けてみてください。

四大獣を分解して読む

四隅には、獅子、人、鷲、牡牛が座っています。
それらをよく観てみると、
それぞれ本のようなものを読んでいるように見えますね。

彼等が読んでいるのはトーラー(ユダヤ教の聖書)だという説があります。
女教皇が持っている書物と同じのようです。

この四大獣たちは
羽が生えていることから「聖なるもの」であることが判ります。

そして実は、
それぞれに「属性(スート)」が割り振られていて…

獅子⇒火の属性
人⇒風の属性
鷲⇒水の属性
牡牛⇒地の属性

となっております。

これらをリーディングに用いる際は、
属性を単体で見ても良いですし、合わせて読んでも良いです。

以下で各属性のキーワードを少し挙げてみます。

『獅子』聖マルコ=火

【火の属性】

『火の性質を表すキーワード

情熱、支配、強い意志、熱意、創造性、強さ、行動力、エネルギー…etc.

『人』聖マタイ=風

【風の属性】

『風の性質』を表すキーワード』

情報、速さ、知性、戦略、攻撃性、強さ、正確さ、機敏さ、理性的…etc.

『鷲』聖ヨハネ=水

【水の属性】

『水の性質を表すキーワード』

感情、愛情、共感、共有、受動的、優しさ、労り、柔らかさ…etc.

『牡牛』聖ルカ=大地

【地の属性】

『地の性質を表すキーワード』

安心、安定、ゆっくり、どっしり、地道、育てる、芽生えさせる、遅い…etc.

これらのキーワードを交えて
リーディングを組み立ててみてください。

例えば…
複数枚カードをドローした際
ワンドが多く出ていたら獅子(火)のキーワードを強く。
カップカップが多ければ人(風)のキーワードを強く。
ソードが多ければ鷲(水)のキーワードを強く。
ペンタクルが多ければ牡牛(地)のキーワードを強く。

読んでいくのが使いやすいかなと思います。

その属性のキーワードを基に
「相手の気持ち」を読んだり、
「解答の方向性」などを決めたり、
「アドバイス」に繋げたりしてみてください。

運命の輪のような
抽象的なカード、動きの少ないカードは読みづらいという方もいらっしゃいます。
そのような場合は
カードの部分、箇所を切り取ってキーワードを出し、読んでいくというのもひとつの技です。

投稿当初、人と鷲の属性を反対に書いてしまっていたことをお詫び申し上げます。

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白い雲と各属性を足して読む

ウエイトスミス版タロットは、
キリスト教の影響が色濃く入っており、
エースカードに描かれている様な雲が多くのカードに登場します。
この雲は『シャカイナグローリー』というもので、
神の臨在(その場におられること)が人の目に見えるカタチとして出現する現象です。

四隅に先程の四大獣が座っていますね。
ウエイトスミス版タロットでは
『聖なるもの』と一緒に、
このシャカイナグローリーが描かれるわけです。

イメージとしましては、
天使など「聖なるもの」が人の前に現われ、
何かを告げたりするシーンを想像してみてください。

読み方としては…
『この四大獣は相談者さんに何を伝えたいのか?』
というように考えます。

以下で、
相談内容を決めずに…
多くアドバイスとして当てはまる文章キーワードを挙げてみます。

【獅子=ワンド、火の要素】

行動的な自分を作ろう、どうせやるなら楽しんでやろう、自分がリーダーだと思って行動しよう、一度決めたらやり通す気概を持とう、その時間は一点集中してやってみよう、自分だけのオリジナリティを求めていこう、トレーニングなどで心身の強さを得よう、笑顔や明るい返事でエネルギーを振りまこう…etc.

【人=ソード、風の要素】

その物事に携わるための情報を得よう、決めたらすぐに行動に移す速さを持とう、判断力を養おう、行き当たりばったりではなく戦略を練っていこう、正確さを求めて行動しよう、感情的にならず冷静に対処できるようにしよう…etc.

【鷲=カップ、水の要素】

感情表現豊かにいこう、愛情に対して理解を深めよう、共感能力を学んでみよう、水のような柔軟性を会得しよう、優しさを身につけよう、労る心を学ぼう、臨機応変に対応できるようにしよう…etc.

【牡牛=ペンタクル、大地の要素】

自分の安心できる場所を見つけよう、誰かを安心させられる人に成ろう、まず安定した経済の基盤を持とう、焦らずゆっくりと事を成していこう、どっしりとした気持ちで構えよう、近道せず地道に進んで行こう、関係を少しずつ確実に築いていく心を持とう…etc.

このような
各属性の要素で「今の相談者さんへのアドバイス」として読むことも出来ます。

あとは
「その為にはどうすれば良いか?」を相談者さんに伝えてあげてください。

先程の四大獣の読み方との違いは、
ダイレクトに相談者さんへのアドバイスに繋げているという点ですね。

是非、参考にしてみてください。

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赤い獣から連想して読む

このカードに描かれている赤い獣、
これはエジプト神話の「アヌビス」だという説があります。

運命の輪のカードを手に取って、
パッと見は悪い暗示に見えますが…
その実は「良い波」の象徴のようです。

アヌビスは冥界の神です。
ジャッカルのような頭部を持つデザインですね。
これは、古代のエジプトで墓場の周囲を歩き回る犬とか、ジャッカルといった獣が
「まるで墓の中に居る者を護ってくれているようだ」
と見えたことから、アヌビスに用いられたデザインだそうです。

①アヌビスは冥界の神
②墓の中の者を護る
③それはいつ復活しても良いように

この事から、
運命の輪に描かれたアヌビスは
人生が落ちる暗示ではなく、
落ちた人生が再浮上する暗示なのですね。

ここから、筆者がキーワードを出してみます。

復活、再浮上、弱い立場のものを護る、身近な人を見守る、停滞期にこそ上がる準備をする、停滞期は長く続かない、停滞期こそ成長のチャンス、暗闇に射す光、まだ見捨てられていない…etc.

また、
「アヌビス」というエジプト神話を調べるとこんなことが書かれています。

アヌビスは、セトの妻にして妹であるネフティスが兄のオシリスとの不倫によって身篭もった子で、セトが敵視していたオシリスの子であるから誕生後はすぐにネフティスによって葦の茂みに隠された。

フリー百科事典『ウィキペディア(アヌビス)』より引用

犬またはジャッカルの頭部を持つ獣人、もしくはジャッカルそのものの姿で描かれる。これは、腐肉を漁りに墓場に現れたジャッカルを『墓場の守護者』と勘ちg…もとい、見立てたことに由来する。 オシリスと敵対関係にあるセトから命を狙われるとして、生まれてすぐにネフティスによって葦の茂みに隠された。そしてオシリスがセトの計略で殺された際には、彼にミイラの施術を施し、冥界へと誘ったとされる。こうした観点から、ミイラづくりの神、ひいては医学の神としても崇拝されることとなった。冥界と現世を行き来することができ、そのために非常に足が速いともされている。

ピクシブ百科事典「アヌビス」より引用

連想法タロットリーディングでは、
オブジェや登場人物などの詳細から
リーディングキーワードを抽出してしまうという技が存在します。

上記引用文のマーカー部分に注目してみてください。
筆者がその部分からイメージ変換し、
リーディングキーワードを取り出してみます。

不倫によって身ごもった子⇒「不倫」

セトが命を狙っている⇒「他者に妬まれる、敵対関係がある」

葦(あし)の茂みに隠される⇒「かくれんぼをする、身を隠す」

獣人⇒「ワイルドさがある、ワイルドさを身につける」

ミイラづくりの神⇒「専門領域を持つ」

医学の神⇒「健康に対して興味を持つ、規則正しい生活をする」

足が速い⇒「行動力がある、行動力を身につける」

これらのキーワードは、
運命の輪の絵柄から「アヌビス」という部分を切り取っての連想です。

上記は筆者のキーワードですが…
相談内容にマッチした回答になるなら、
どのように連想してキーワードを出しても全く問題ありません。

連想法タロットリーディングでは、
このようなキーワードの出し方、タロットの読み方もしていきます。

複数枚のカードを出した際、
運命の輪だからといって
「運命」「運勢」という部分にこだわってしまえばストーリーの矛盾が生じやすいですが…
様々な視点でキーワードを出せば、臨機応変に1枚のカードを読んでいくことが出来ます。

慣れないうちは大変ですが、
練習を重ねるうちに必ずできるようになります。

連想の訓練は
別記事で取り扱う予定です。
是非、お楽しみにして戴ければ嬉しいです。

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黄色いヘビの正体

運命の輪にはヘビが描かれております。
しかしこれは、
恋人たちのカードとは違うヘビのようです。

運命の輪の絵柄で、
先程のアヌビスが人生サイクルの「良い波」ならば…
このヘビは人生における下降点「人生の停滞期」を表しています。

単なるヘビとして描かれていますが…
一説にはギリシア神話に登場する
「暴神テューポーン」だと言われています。

テューポーン:ギリシア神話に登場する、神とも怪物ともいわれる巨人。巨体は星々と頭が摩するほどで、その腕は伸ばせば世界の東西の涯にも達した。腿から上は人間と同じであるが、腿から下は巨大な毒蛇がとぐろを巻いた形をしているという。底知れぬ力を持ち、その脚は決して疲れることがない。神々の王ゼウスに比肩するほどの実力をもち、そのゼウスを敗った唯一の存在でもある。

フリー百科事典『ウィキペディア(テューポーン)』より引用

このテューポーンは、
ギリシャ神話「オリュンポスの神」最大最強の敵でした。

そのテューポーンを人生という枠で捉えるなら…
『乗り越えなければいけない障害や敵』と表現することも出来ます。
辛い環境や境遇、何とかしたい人間関係、あるいは病気と言い換えられるかもしれません。

このヘビは『人生の停滞期』などを表現しています。
生まれてから最期まで一生好調な人生でいるというのは、ほぼ不可能ですよね。
長い人生の中では、必ず「上手く行かない時期」というのは来るものです。

その時期、またはその時期を抜けた後に…
「どのように考えるのか?」
「どのような行動を起こすのか?」
「次に何を気を付けるのか?」
自身の教訓とするのは非常に大切なことだと筆者は強く思っています。

人生の停滞期を漫然と過ごさないなら、
次また同じような時期が来た時、乗り越えやすいからです。

この部分は先程の項目、
『運命と運勢の違い』で書かせて戴きました…
「運勢というのは本人の行動や心持ち次第で、どのようにでも変えられる未来である!!」
という部分に戻り、合わせることが出来ます。

黄色いヘビを読む場合、
上記の考え方を頭の隅に入れておくと解釈がしやすくなるはずです。

また、
人生の停滞期というのは…
「冬の時期」「夜」という表現の仕方もありますよね。

そこで面白い読み方の1つとしまして…
運命の輪のヘビを
「人生の停滞期」⇒「冬の時期」⇒「冬」
「人生の停滞期」⇒「夜の時間」⇒「夜」
というように連想していき、季節や時間として読んでしまうのもアリです。

テューポーンにつきましては、
こちらの記事で書かせて戴いております。

あわせて読みたい
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上の記事は「運命の輪 番外編」としての記事でもありますので、併せて読んで戴ければ嬉しいです。

青いスフィンクス

輪のてっぺんにはスフィンクスがいます。
戦車に続き、このカードでも登場しましたね。

よく観ると、剣を持っております。
その表情、姿を見るに闘争や破壊、支配といった感じは見受けられません。
従って邪悪な象徴ではないでしょう。

そんなスフィンクスが
何故、剣を持っているのでしょう。

運命の輪のテーマは、
「人生には良い波もあれば悪い波もある」というものです。
そんな人生で、いかに好調の波を維持できるか?
そこに幸せな人生の極意があるとも考えられます。

そして
このスフィンクス…
ある大アルカナカードに雰囲気が似ていませんか?

『Ⅺ, 正義(ジャスティス)』のカードです。

あのカードは正しい事や倫理観を大切にするカードです。

それを踏まえて、
スフィンクスと剣の表すメッセージを以下に記してみます。

正義、正しい、倫理、道徳、公平、公正、平等、真実、順道、真っすぐ、真面目、正直…etc.

正義のカードで説かれる上記のような姿勢が、
人生の良い波に
より永く乗っていられる極意なのです。

上記をまとめてみます。

自分が正しいと思う事を貫き、
倫理や道徳に背かず、
誰に対しても分け隔てなく平等に接し、
表面的な事柄に惑わされない。

長い人生の中で、
たとえ横道に逸れるとも
自分の道は決して見失わず、
真剣に物事に携わり、誠実に人と向き合う事。

このように人や物事、
人生との向き合い方をするなら
たとえ運命の輪の回転の最中、
人生が停滞したり落ちることがあっても…
その手を引っ張って、穴から出してくれる人は現れます。

人生に対して誠実さを見失わなければ、
落とし穴に落ちたとしても這い上がれるのです。

そして、
人生が好調の波に乗っている時、
誠実さを貫いていることで
末長く好い波をキープ出来るのですね。

運命の輪のリーディングで
スフィンクスを読む際は、
是非、上記のお話を参考にしてみてください。

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車輪=運命の歯車?

運命の輪の絵の中央には、
文字の書かれたオレンジ色の輪があります。

絵では止まっているように見えますが、
絵の中のシーンでは、回転している設定です。

人生は良いことばかりではありません。
ちょっとした不祥事一つで、
人生が悪い方向へ行ってしまうこともありますよね。

逆に、一生涯最悪の人生というのもありません。
笑える時期、楽しい時期、輝ける時期や幸福な時期…
というのは必ず来ます。

「運命の輪」は、
人生における運勢的なものを表しています。
車輪が回転しているなら、
アヌビス(良い時期)が上に来ることもあれば…
テューポーン(悪い時期)が上に来ることもあります。

一見「どうしようもない力」のように思えますが…
良い時期を出来るだけ永く保ち、悪い時期を出来るだけ早く終わらせる。
という事は出来るはずです。

幸福な時期が来るのを、不幸な時期が過ぎるのをただじっと待つのではなく…
自ら、その幸運を手に入れるために動いていくことが大切です。

例えば…
人生が波に乗っているときに、
調子に乗って羽目を外し過ぎれば、
落とし穴が見えず、知らぬ間に転落してしまいます。

だからこそ、
より永く好調の波に乗っているために、
調子の良い時こそ慎重にいくべきだと筆者は思います。

自分を客観的に見つめ、
倫理や道徳に反したりせず
誠実に生きていれば、
目の前の落とし穴はより多く回避できます。

それに、
誠実に生きている人なら、
例え嵌められて落ちてしまったとしても、
誰かが手を引っ張ってくれます。

これが調子の良い時期に
傍若無人に振舞っていた人なら、
誰も助けてはくれないはずです。

逆に人生が停滞している時期は…
今の状態からどのようにしたら抜けられるか?
そのために何を学べばよいのか?
どんな情報を集めたらよいのか?
どのように動いたら良いのか?
「もがいてみる」というのも大切だと筆者は思います。

そうやって動いている間の知識や行動力は、
そのままその人のスキルとして追加されるからです。

究極的な話、
行動してもしなくても
1年後には停滞から抜けられるという運命だったとしたら…

試行錯誤した1年があった人の方が、
筆者は、停滞を抜けた後の人生が強いはずだと信じています。

運命の輪のカードは、
そういったメッセージも持っています。

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車輪の文字をトリッキーに読む

よく観てみると、
実は車輪には、文字が書かれています。
スフィンクスの場所からアルファベットを反時計回りに読んでみると…
「TORA(トーラー)」と書いてあります。
これは四隅にいる人、鷲、牡牛、獅子が手にしているものと同じです。

ウィキペディアで詳しく調べてみます。

円の縦横四方向に書かれている文字は様々に読むことができ、時計の12時の位置から90度ずつ時計回りに読むと「TARO(T)タロット」反時計回りに読むと「TORA」(女教皇が持っていた書物の名前と一致)6時の位置から時計回りには「ROTA」(輪の意味)と読める。

フリー百科事典『ウィキペディア(運命の輪)』より引用

今、調べましたこの文章…
知識として持っているのも面白いです。

ですが、折角ですので
リーディングの材料に使ってみませんか?

連想法タロットリーディングの肝は、
「タロットの絵を観てイメージを膨らませ言葉に変える」ことです。
それは文章にだって、音楽にだって応用できます。

先程のウィキペディアの文章に、
こんなことが書いてありました。

円の中の文字は様々に読むことができ、
「TARO」「TORA」「ROTA」など色々と読める。

次項でこの部分を
トリッキーにキーワード変換してみます。

筆者のリーディング例1

円の中の文字は様々に読むことができ、
「TARO」「TORA」「ROTA」など色々と読める。

この言葉にイメージを湧かせるなら
筆者はカメレオンをイメージしました。

カメレオンは周囲の環境に合わせて体の色が変化しますね。
そこから…
「七変化、臨機応変、柔軟性がある」
このように言い換えることも出来ます。
この単語をリーディング文章にしてみますと…

「七変化」をアドバイスに。
⇒イメチェンしてギャップを演出する。

「臨機応変」をアドバイスに。
⇒場面に合った振舞いを心がける。

「柔軟性がある」をアドバイスに。
⇒頑固になり過ぎず、他者の話に耳を傾ける。

というようにしてみました。
運命の輪には「変換、チェンジ」という意味もあります。

自分の置かれている状況や環境に対するものだけでなく、
自身の振舞いや演出など「自分が変わる」という感じでリーディングするのも面白いですよね。

筆者のリーディング例2

円の中の文字は様々に読むことができ、
「TARO」「TORA」「ROTA」など色々と読める。

色々と読めるというのは、
「どれが正解だろう?」と考えるような感じと似ていませんか?
そこから筆者は、
「謎解き」「暗号」「ミステリー」をイメージしました。

謎解き、暗号、ミステリーというのは…
解らないから面白く、解らないから解こうと必死になれます。
書籍の人気カテゴリの中でもミステリーはかなり上位だそうです。
それを踏まえてリーディング文章を作ってみますと…

秘密のない人間より、どこか謎めいた人の方が魅力的だ。
自分を全部見せない事が、自分を多く魅せることだ。
彼(彼女は)あなたの謎めいた部分に魅力を感じている。
彼(彼女は)あなたのことが分からないから少し不安に想っている。

運命というのは『この先何があるか判らない』からこそ希望が持てますし、同時に不安もありますよね。
その「まだ先がわからない」という部分を…
運命や運勢といった時間や環境だけではなく
恋愛や人間関係へのリーディングに変換するとリーディングの幅も広がっていきます。

筆者のリーディング例3

円の中の文字は様々に読むことができ、
「TARO」「TORA」「ROTA」など色々と読める。

この「TARO」「TORA」「ROTA」ですが…
アルファベットの順序が変わると意味も変わりますね。
ただ、ここでは
それぞれの意味の事は考えません。

筆者はこの文字列を見て…
「文字を並べ替えている」
「文字の順番を変えている」
と、感じました。

それをそのまま
「並べ替える」「順番を変える」
というキーワードとして取り出します。

「並べ替える」をアドバイスに。
⇒より効率的にするためにスケジュールを変更する。

「順番を変える」をアドバイスに。
⇒現状を箇条書きにして優先順位の高いものから手を付ける。

運命の輪は
「変換、チェンジ」という意味が強いので、
このように読んでも全くおかしくないですよね。

運命の輪だからといって、
「運命」「運勢」という部分だけに固執しないことが、このカードを臨機応変に読む秘訣です。

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まとめ:運命の輪は「運命」という意味にこだわらないで読む

運命の輪のイメージは、
運命、運勢というものが強いですよね。

そしてこのカードは、
非常に抽象的な絵柄なので、難しいカードの1枚かもしれません。

そんな時は
「運命や運勢」という単語を
色々な方向からイメージしてみてください。

「運命とは何か?」「運勢とは何か?」
という質問で「自分の言葉に直す」ことが大切になります。
そうすることによってより自分の中でイメージが固定してきます。
抽象的な絵柄のカード、抽象的なキーワードを持つカードの場合…。
『如何に具体的な言葉に直していくか?』
ここがリーディングの肝になっていきます。

本記事では、
その他にもカードの色々な読み解き方を解説させて戴きました。

最初は難しいかもしれませんが、
読み込むうちに何か気付きがあったり、
言っていることが感覚的に掴めてきたりします。

是非、何度も読み返して戴き、
連想法タロットリーディングを掴んで戴ければ嬉しいです。

それでは、
最後までお読み戴き
誠に有り難うございました。

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