【解説】タロット皇帝は『王様』や『社長』と考えると読みやすくなります。

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皆様こんにちは
『本気のタロット講座』へようこそ。

今回は『皇帝のカード』について解説をしていきます。

このカードを読む際は、
「大企業の社長」や「一国の王様」をイメージしていくと理解しやすいです。
本記事では、そういった部分に焦点を当てて解説していきますので、より皇帝のカードの理解を深めることが出来ます。

目次

Ⅳ, 皇帝のカード

タロットでは皇帝、法王と並んでいますが、
前者は『現実世界の王』 後者は『精神世界の王』です。

すなわち皇帝のカードは「大企業の社長」や「一国の王様」を表しています。

カードを観ると、赤い色や、石の椅子、険しい山など受け取る印象が雄々しいです。
組織を創り上げる、運営する…
というのは生半可なことではなく、そこには強い意志、決めたら必ず行動する力、瞬時に状況を判断し、迷いなく決断する力が必要である…。
それを「皇帝」というカタチで表しているカードです。

それでは、カードの解説をしていきたいと思います。

石の椅子

この絵の皇帝はとても頑強な石の椅子に座っています。

皇帝というのは権力者で、
その仕事は、指導者であり、民衆をまとめ、組織を作り形作っていくことです。

昔の皇帝たちの多くは、式典で多くの人の前に出る際は、この絵のように堅く頑強な椅子に座っていたようです。

もっとフカフカの偉そうな椅子に座れば良いのに、
何故、そのような椅子に座っていたのでしょう?

それは自身の身を護るためだそうです。

例えば、王を倒そうとしている者が表れた場合、
危険を感じ、直ぐさに後ろに隠れれば、矢が飛んできても当たりませんし、長い槍も貫通することはありません。
皇帝は物理的に護られ、反乱者は側近の人間が倒してくれます。

権威があるからこそ、身を護るのに必要だというわけです。

この部分で『自身を護る』というキーワードが使えます。
アドバイスとしては、物理的な防御だけでなく、心を護るというように変換も出来ます。
「嫌な環境からは離れる」「苦手な人には近づかない」というのも良いですし、
石の椅子のように「自分自身を強くトレーニングして自分が自分を護れるようにする」という読み方も出来ます。

石の椅子は皇帝自身の身を護るためのものという部分から、
『防御する』『身を護る』『自分自身を護る』
などへ言葉を発展させていけば皇帝を読めたことになります。

ヒツジの彫刻

皇帝の座っている椅子の四隅にはヒツジの彫刻が施されています。
これはリーダーシップや組織を作るといった、牡羊座の性質を表しています。

そしてここにはもう1つ重要なメッセージが描かれています。

(女教皇の記事)で書かせていただいたのですが、
この皇帝でも石の椅子は『キューブ⇒立方体』とされ、図像学では現実的、物質的なものを表しています。

皇帝は国を、経済を、社会を発展させなければなりません。
ですので、非常に現実主義で、論理的な考え方をします。

何かを計画するのにも、漠然とはさせません。
彼の思い描くビジョンは夢物語や空想ではなく、必ず実行可能な計画です。

企業でも「ああしたいな…こうしたいな…」
と、社長が夢を想い描くばかりで、実行に移せないなら会社は発展しません。
その想い描く場所に確実に到達できるよう、
現実的、具体的、段階的に行動を起こせる計画を練り、実行することが大切なのですね。

この現実的、論理的という部分を用いてアドバイスをするならば…
『キチットした実行可能な計画を立てる』
『スタート ⇒ ゴールまでの段階を追った目標を立てる』
『キッチリと下調べをした上で物事に取り組む』
というようなリーディングが可能です。

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左手に持っている物

皇帝は左手に黄色い丸い物を持っています。

これは『地球』であるという説があります。

『地球を持っている⇒権力を持っている』と解釈をして差し支えはありません。

読む際に大切な事として、
この左手に持っている『地球』を『相談内容に合わせて何に変換するか?』
というのが大切になります。

自分の護るべきものなのか?
⇒彼は相談者さんの事をとても大切にしている…など。

自分が手に入れたいと思っているものなのか?
⇒人であったり、物であったり、事であったり。

自分の手で繁栄させていきたいものなのか?
⇒自分がいま手掛けている物事、事業、組織など。

「地球」から連想し「自分の世界」と発展させるなら『プライド、気位』と読むのか?
⇒○○にかけては絶対に負けないと思っている…など。

「地球儀」と捉えるなら『コレクションの1つ』なのか?
⇒「地球儀」にこだわらず、車、フィギュアなどに変換しても良いですし、携わっている物事などの無形のものにも変換できます。

この部分をリーディングに用いる際は、単に『地球』とだけで終わらないで、
「皇帝の持っている地球とは何を表しているのか?」と考え、それを相談内容に合わせて変換していくのがコツです。

右手に持っている物

この右手に持っている杖をよく観察してみると…
単なる十字の杖ではありません。
「エジプトのクロス」のような「金星のマーク」のような…
そのような形を模しています。

エジプトクロスは『命の循環』を表し、
金星のマーク、または女性のマークならば…
『命を産む』ことを表しています。

では、皇帝のカードにおいての命の循環とは何だと思いますでしょうか?

それは『生産性』です。
国に必要なもの、民に必要なもの、経済に必要なもの…
それらを皇帝は創っていかなければなりません。

企業の社長も、今の会社に必要なもの、従業員に必要なもの、これからの会社を発展させるために必要なもの…
それらを創っていかなければなりません。

皇帝が持っている杖は『生産性の象徴』を表しているのです。

これらをタロットリーディングに応用するのでしたら、

今の自分には何が必要か?
あの人に今、必要なものは何か?
これから物事を成すために、必要なものは何か?

というような…
『考え、実行する』⇔『創り出す、生産する』という言葉に結びつけることが出来ます。

その目が見つめる先

皇帝の体は真正面を向いていますが、
その右目を良く観ると、別の方向を見ています。

「向かって左側を見ている」
これは図像学で『敵を見ている』『未来を視ている』ことを表しています。
皇帝は、民の平和を護り、国を発展させ、経済を安定させるのが仕事です。
企業の社長だって、従業員を護り、会社を発展させていかねばなりません。
ですので常に敵やライバルを意識しているのです。

それらを常に意識していなければ、
自国を護ることも、発展させることも、民の満足度を知ることも出来ません。

社長も王様も…
休日に身体は休んでいるように見えても頭では常にそういった事を考えています。
『体は正面を向いているが、目は別の場所を見ている』
この描写はそういった事を表しています。

この部分のリーディング例としましては…

『敵を観ている』
⇒他の人はどのように動いているのか?をリサーチする。

『未来を視ている』
⇒思い描く○○に到達するために、段階的に実行可能なプランを練る。

などと読んでいくことが出来ます。

赤い衣

彼は真っ赤な衣を鎧の上に着ています。
(魔術師の記事)でもお話しておりますが、赤は火の性質、男性の性質を表します。
しかも、肩の部分には、リーダーシップなどを表すヒツジの刺繍まであります。
すなわち、皇帝は非常に『雄度が高い(男らしい)』ことを表しています。

それはパワフルに、物事に携わっていく姿勢です。
国や会社のトップには、困難に屈しない魂が必要です。
さもなくば、ついてくる者は少なくなり、その国、組織は良くなっていきません。
そして、父の如く民を、部下を愛します。

情熱があり、意欲的で、恐れず、諦めない、行動力…そして父性。
この皇帝にはその魂があることを表しています。

これらはそのまま、リーディングのキーワードとして使って大丈夫です。

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足が見えている

ここに来て初めて「椅子に座っているけど足が見えている」描写が来ました。
ここまで足が描かれているのは『行動力が抜群』という事を表しています。
皇帝は国や民に何か危機が訪れたとき、躊躇せず行動を起こします。
常にベストな政策を打ち出し、敵が来たら迎え撃ち、傾いた経済は即刻立て直すでしょう。

企業の社長も、会社に危機が訪れそうな時、いち早く察知し、従業員を護るため、会社を護るため、現状でベストな策を打ち出していくのです。

この部分を観てタロットを読むのでしたら…
「躊躇せず行動に移す、思い立ったら吉日、勢いを大切にする」
といったような『行動力』というように考えてみてください。

後ろの山

皇帝の背景の山は、物凄く険しいものとして描かれています。
山というのは図像学で『障害、困難』の表現です。

タロット78枚の中、こんなに険しい山が描かれているのは、皇帝のカードだけで…
これは、皇帝というものには障害や困難が、もの凄く多いことを表しています。

国のトップですから、のんびりと何事もない日常生活を送り続けることは出来ません。
隣国との事、自国の事、民の事、政治、経済…etc
その全てを背負っているからです。

企業で表すなら大企業の社長も同じです。
分刻みのスケジュール、常に新しいことを考える思考、休日だって体は休んでいるように見えていても頭はフル回転です。
全く休む間がありません。

だからこそ、皇帝の背景は格段に険しい山が描かれているのです。
しかし、面白いことに…
彼はその険しい山を背に置いてはいますが、見てはいません。

『困難だと?そんなものは最初から知っている…どんな障害があろうと、この地位にはそれを承知で人生を賭けて挑んでいるんだ』
という気概に溢れているのです。

『困難に屈しない心!!』
『リスク承知で人生を賭ける!!』
『胸を張るのか?ビクつくのか?同じ挑むなら、私は堂々と行く!!』

皇帝と山の描写は、それを表しています。

登場人物の役目をイメージする

ここで社長や王様についてイメージしてみます。

大企業の社長の多くは、
自ら営業に出向いたり、商品の宣伝をしたりはしないと思います。
商品を梱包したり、給与計算をしたり…そういった仕事もしないと思います。

王様も同じです。
戦場などでは歩兵隊に混ざって、槍をもって徒歩で敵陣に突っ込んでいったりはしないはずです。
キングは戦況を把握し、部隊を編成したりなど役割を割り振ったり、戦略を考えるなどをします。

『人に対して役割を与える、命令する』というのが皇帝なのです。

このように『大アルカナの登場人物の役割をイマジネーションする』というのもタロットを理解するのには非常に役立ってくれます。

リーディング例として、
このルールや命令を「○○さんに対して行なってください」ではなく…

『自分に対して○○を課す』
『自分に確固としたルールを決める』
『自分が決めたことは100%やり通す』

というように、自分が自分に対して命令するという読み方としても使えます。

以下の記事では
皇帝がどのような人物、役職なのか?
そのような人物的特性を固め
読みやすくするための解説をしております。
併せてお読み戴ければ嬉しいです。

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まとめ:タロット皇帝は『王様』や『社長』と考えると読みやすくなる

皇帝には権力があります。
組織を作り、その組織を構成する力があります。

家族や組織の繋がりを強め、安全と心地よさをもたらし、その中で弱い者を保護し、成長へ導くのも皇帝です。

「王様とはどういうものか?」「社長とは?」をイメージしたり、実際に伝記や王の出てくる本を読んだりするのは、この皇帝のリーディングを深めます。

そして色々な知識を得ておくことは、タロットリーディングの幅を大きく広げてくれます。
「中世、皇帝は式典で身を護るために石の椅子に座っていた」
という知識を得ていれば、このカードが出た時に『防御する』『護る』というキーワードが浮かびます。

多くのタロット書籍に皇帝の説明がありますが、
「防御」という単語が書かれていますでしょうか…?
「石の椅子で身を護っていた」という知識があるだけで、皇帝の読みを深くすることが出来るのですね。

意味だけを追うよりも、絵に描かれているオブジェを細かく観て連想をしたり、登場人物をイメージしたり、それらの人物が登場する本や映画、また日常で得る知識や経験を大切にしていくのも、リーディングを深くしてくれるのです。

是非、今回の記事を皇帝を読む際の参考にしていただければ幸いです。

本日も
最後までお読み戴き、
誠に有難うございました。

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